しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第29回

「格差と序列の日本史」新潮新書
金・銀・銅の日本史」岩波新書
「人事の日本史」朝日新書

 1冊目は、タイトルは格差と序列を扱っているように見えますが、官職の職階や位階、階級などについて書かれた新書です。目次を読む限りでは。
 タイトル的に差別化する必要があったのはわかるのですが、格差という意味はあまり目次からは伺えません。
 序列の意味合いのほうが強いようです。
 内容はまだ読んでおりませんが、位階や階級など職務上の上限関係については、時代ごとに変わるところでもあるため、他の書籍でも詳しいところとそうでないところ、重点的に描かれているところとそうでないところの差があります。
 そのため、購入理由としましては、出るたびに買っているジャンルの書籍のひとつですので、こういった身分制度も含めて興味があることがいちばんの理由となります。


 2冊目は、通貨の素材としての金・銀・銅の加工と流通に関する日本史を扱った新書であることが目次からわかります。
 通貨に関しては、いろんな切り口があるため、少しでも気になる新書があれば、買うようにしているため、購入理由としては「通貨関係のジャンルはできるだけ新書なら買う」という理由となってしまいます。


 3冊目は、人事においても歴史上の人物や人事制度に焦点を当てた新書です。
 人事でも特殊なケースを扱った例から、人事制度も時代ごとの背景と理由があるため、同じようにはならないことがよくわかります。
 このあたりは、人に関する階級などがどうしても気になることから、つい買ってしまうという理由が購入理由となるぐらいには、他の人事に関する書籍を購入しがちです。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第28回

「王朝貴族物語」講談社現代新書
「新聞・雑誌の歴史」文庫クセジュ
「文化復興1945年 娯楽から始まる戦後史」朝日新書

 1冊目は、奈良時代から平安時代にかけての貴族の実態について解説した新書です。
 古本で購入したのですが、クリーム色の地に鮮やかな源氏物語のワンシーンをカラーで描いた表紙は、題名に即してて非常によいです。
 平安貴族の実態を書いた書籍はいくつもあるはずですが、たまたま新書で目に入ったこの書籍がちょうどよかったこともあり、その勢いで購入しました。
 貴族制度についてはずっと調べていることもあり、日本の貴族の実態も調べねばと思っていたところで見つけられたのも購入した理由です。


 2冊目は、新聞と雑誌の歴史を、近代以前から要素をくくりだし、歴史として解説したのがこの新書です。
 とはいえ、目次で配分を確認する限りは近代以前は1章でまとめられており、残り8章は近代以降に重点が置かれています。現代の、つまり戦後以降は最後の1章でまとめられているため、都合7章が近代の各国での新聞の登場と、そして雑誌の登場について語られています。
 この書籍も、ジャンル史としてまとまっていると思い、購入しています。類書が新書ぐらいの価格で入手できる適当な書籍も見当たらなかったため、という理由もあります。


 3冊目は、戦後どのように文化の復興がはじまったかについて切り取ったのがこの新書です。
 文化を担っていた、文化人の個人個人に焦点を当てて炙りだそうとしたのが、目次と帯から推測できます。
 戦後史は、政治的な部分が主体となる解説が多く、実際の庶民の生活やその他の側面もせいぜいが「闇市ができた」ことに終始してしまい、語らぬ歴史となっている部分に、ちゃんと資料から光を当てた書籍はまだまだ少ないように感じられます。
 本書は、人物の動きを注視することで、また興業や催し物などの開催がどうであったかを記すことで、いかにして戦後に文化が復興してきたかの軌跡を描き出そうとしていることが、やはり目次からわかります。
 戦後史をもう少しまとめた形で知りたいと思い、調べようと思っていることからこの新書を購入しました。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第27回

「本のリストの本」創元社
「1985年」新潮新書
「業界別 肩書きの辞典」小学館

 1冊目は、読書好きのあいだで話題となったらしいのがこの書籍です。
 自分もタイトルを知った際に興味を持った側でした。
 リストの概念は自由で、メモされたリスト、なども入るぐらいに柔軟性を持たせているようです。
 これを知りたいならこのあたりを読むといいよ、という、まるで図書館の司書に尋ねた際のリファレンスの結果を読むような、そんな回答に満ちていることが、それこそ「目次に記載されているタイトルのリスト」の面目躍如と言えましょう。
 この本は途中まで読み進めているものの、1つ1つの項目が幅広い分重く、読むスピードが上がりづらい本です。
 購入したのは「もしかしたら、何らかのジャンルに関してのおススメが記載されているかも」という淡い期待からです。


 2冊目は、時代を区分して10年史というものもありますが、これは1985年だけを切り取った新書です。
 1985年は、個人的に記憶する限りでは御巣鷹山飛行機墜落事故の年であり、プラザ合意の年でした。
 なんらか出来事が集中する年というものはあるもので、他にも1968年や1995年などもあり、それぞれいくつかの書籍が刊行されています。
 その時代の転換点となったり、あるいは結節点となったりする時期でもあり、そういった同時代史的な資料として、この新書を購入しています。


 3冊目は、題名の通りの業界別の肩書に関する辞典。辞典と言っても文章で説明されており、ときどき表が入ってくる形式となっています。
 業界毎に肩書きの名称や役割などがぜんぜん違うことは知ってはいたものの、実際のところ、どっちのほうが肩書きとして偉いの? などはぜんぜんわからなかったりすること多数でした。
 そのため、こういった肩書きだけを集めた書籍がないものかと思って探し続けていたところ、ようやくこの書籍を見つけて購入した次第です。
 目次をざっと眺める限り、かなり広範囲の業界に渡っており、伝統芸能などもカバーしているため、肩書きをさっくり理解したい方にお勧めです。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第26回

「エラリー・クィーン完全ガイド」星海社新書
ケマル・アタテュルク トルコ国民の父」山川出版社
グルメ漫画50年史」星海社新書

 1冊目は、推理小説が好きな人なら一度は聞いたことがあるかもしれませんが、エラリー・クィーンという作家名であり、名探偵の名前である作品に関する新書です。
 エラリー・クィーンは「読者への挑戦状」という形式で、名探偵がさてこれから謎解きをするぞ、という直前に問いかける方法で、物語の中から外の読者に向けて語りかけるスタイルは過去にもあったものの、推理小説で使った例はこれが初めてだったかと思います。
 作品名では「国名シリーズ」や「●(アルファベット1文字が入る)の悲劇シリーズ」が著名です。
 個人的にはちゃんと読んでみたいものの、手を出し切れていない小説であるため、副読本としてのガイドブックとしての新書は助かります。そういう理由で購入しています。


 2冊目は、現代につながるトルコを宗教国家であるオスマントルコからトルコへとアップデートさせた国民の父であるケマル・アタテュルクについて書かれた書籍です。
 この人物だけを書いた書籍はかなり少なく、他には新潮選書のケマル・パシャ伝」が該当するぐらいではないでしょうか。
 建国の父とも言えるこの方が行なった大きな政策のうち、言語政策と宗教政策があります。
 言語政策は、それまでのトルコはアラビア文字を使ったトルコ語を、ラテン文字へと切り替えていった。なぜなら、アラビア文字の場合は母音が表記されないため(発音はされます)、識字率にも影響を与えていたようです。
 そのため、言語政策において、自ら新たなトルコ語のためのラテン文字体系を整備し、普及させることで近代化を果たしました。
 また、宗教政策はイスラム教が主な宗教であるにも関わらず、国教から外し、政教分離を実施することで、他のイスラム諸国とは異なる立ち位置を獲得するようになったのです。
 ケマル・アタテュルクに関する書籍は少ないことから、見かけたらできるだけ買うようにするつもりですが、いまのところ収穫率は低いです。


 3冊目は、1970年頃からはじまったグルメ漫画の歴史を取り扱った新書です。
 2000年以降、急速にグルメ漫画のテリトリーが広がり、多種多様な作品が世に送り出されてきましたが、著名な美味しんぼクッキングパパなどを含め、どこからはじまり、そしてどこへゆくのか、という50年の歴史を解説していることが、目次からよくわかります。
 ジャンル史のひととして購入していますが、マンガでもこのようにジャンルを絞った歴史を見ていく書籍は今後も出てほしいものです。少なくとも、エンタメにおける、扱ったジャンルのジャンル史の影響力は思った以上に広がりを見せていると思います。
 エンタメ関係の歴史はやはりちょっとずつでも整理しないと、新規にエンタメに参加するクリエイターは過去作の何を振り返ればいいのかもわからずに、業界の洗礼をうけることになりますので、手軽にふり返ることのできる新書は重要です。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第25回

「月9 101のラブストーリー」幻冬舎新書
「本屋になりたい この島の本を売る」ちくまプリマ―新書
「大追跡! 現代の海賊」宝島社新書

 1冊目は、「月9(げつく)」という呼称がある、月曜夜9時からのドラマの略称がタイトルとなる新書がこちらです。冒頭の解説だけ読む限りでは、とくにフジテレビを指す言葉だそうです。
 トレンディドラマ、という言葉が出てきたのはバブル期の1980年代後半からだったと思います。
 そうは書かれていませんが、これもまたジャンル史です。「月9」というジャンルかもしれませんが、エンタメ史の1つの歴史として扱ってよいと思います。
 こういったトレンディドラマ史とでも言うべき歴史は、やはりまとまっているものは少なく、新書サイズで手軽に確認できるのは便利です。
 流行語を生みだすなどの影響力を発する作品もあるため、また他のメディアやコンテンツへの影響もあることから、抑えておきたいと思い、購入しました。


 2冊目は、本屋(新刊書店)ではなく、古本屋を経営することになり、どうなっていったかを赤裸々につづったドキュメンタリー、あるいは自分語りの新書です。
 古本屋をはじめることを扱った本は他にもあります。この本が他と違うのは、本当に初めて数年のことを丁寧に書いてあるからです。新刊書店の店員だった時代から、沖縄で古本屋を開いて経営して、いろいろ手を出したりする辺りも、きちんと描かれています。
 今回のこの書籍を購入したのは「古本屋を始めるってどうやるんだろう?」という純粋な疑問から購入しています。
 なお、この書籍は一回読み終わっています。


 3冊目は、歴史としての海賊ではなく現代の海賊に絞って書かれた新書です。
 現代の海賊は、非常に巨大犯罪となっており、組織的かつ黒い商売として成立するほどとなっています。
 そういった内情について書かれたのが本書です。
 海賊に関する新書はできるだけ購入予定に入れているため、その結果、購入したひとつがこの新書です。
 目次からすると、海賊の生息域は南半球や赤道付近に多く、これはある種の伝統に乗っ取っていると言えます。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第24回

銀河帝国は必要か? ロボットと人類の未来」ちくまプリマ―新書
「盗作の言語学 表現のオリジナリティーを考える」ちくま新書
大河ドラマの黄金時代」NHK出版新書

 1冊目は、SF小説を、ロボットと人類と銀河帝国というテーマによって記した書籍がこの新書です。
 目次を読む限りでは、ロボットに関連するSF史を追っていくスタイルのようです。
 パラっとめくってみたところ、現代の、SFに繋がる要素を取り上げつつも、それがどう結びつくかをひたすら将来性との結びつきを探っていくようです。
 ロボットはAIとも縁深く、そちらにも波及していることが目次からわかりました。
 SFなども含めて近未来以降をどういう風に描くかの一例としてこの新書を購入しました。


 2冊目は、盗作について語られた部分もあるものの、表現のオリジナリティーとはなんぞ? という部分に言語学から焦点を当てた新書です。
 一般にパロディやオマージュ、パスティーシュなど、盗作ではない表現方法保あり、模倣でもない表現方法は存在しています。
 表現のオリジナリティーは、では、どこでどのように区別しうるのか、という細かな違いを実際の例を挙げて、比較して、解説してくれるのが本書の内容である、らしい。
 こちらの新書もまだ読み終わったわけではありませんので、そういった表現のなかでやったらダメな盗作と、そうでないものをどう区別し、どう判断してきたかを言語学の視点で分析している内容だと、目次から想定しています。
 このあたり、冒頭にレポートには参考文献の情報を適切に付けよ、ということを「引用」を使って説明しています。
 なんらかの表現、つまり文章表現に携わる以上、盗作(パクリ)、コピペなどを避けるように注意する必要があり、そのためにも実例として過去にどういうものがあったのか、という事例についても解説が本書は、ちょうどわかりやすかったので、購入しました。


 3冊目は、ここ数年、映画評論家として新書で見かけることが増えてきた著者の大河ドラマに関する新書です。
 対象となる大河ドラマは1963年~1991年までで、ほぼ昭和時代の大河ドラマを振り返ることになります。
 ジャンル史としての大河ドラマは、歴史系書籍、歴史系新書、ゲーム、マンガなど広範囲に影響を及ぼす存在で、相乗効果を期待しての乗っかりが多いのもまた事実ではないかと思います。
 そうした大河ドラマの上記期間の1作品ごとに解説を加えていくスタイルであることが目次からわかるため、全部を観直す前に、ざっくりと概要をおさらいできる、という意味で個人的には歓迎です。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第23回

「犯罪・捜査の英語辞典」三省堂
「日本の古代豪族100」講談社現代新書
「1971年の悪霊」角川新書

 1冊目は、犯罪や捜査に関する英単語の辞典です。
 専門分野の単語は、普通の辞書ではカバーされ尽くしているわけではないため、こういった専門用語の辞典は重宝します。
 内容的には、通常の捜査などに関する法律用語や、犯罪用語やスラング(俗語)まで幅広いことが、パラパラとめくって見るだけでもわかります。
 もともとは警察小説を書いていた人物が英語の文化的に重要なものでは、とはじめたのがはじまりだそうです。
 この書籍に関しては、見かけた瞬間に買うべしと思ったそのままレジに直行して購入してきました。


 2冊目は、古代の豪族という名称が通用する時代の豪族100選のようなタイトルの新書がこの書籍です。
 古代史は、新しい発見によって、わからなかったことがわかるようになるか、あるいは定説がひっくり返ったりすることがたまに生じます。
 そもそも、日本の場合は古代から受け継がれてきた文書が残っている(転記したものも含め)ことも、世界では珍しいほうではあるのですが、実態が明かされる可能性が高いという意味では、日本の古代史は他の諸国よりは解像度の高い史実が得られそうな部分に魅かれます。
 この新書を購入したのは、古代において苗字や姓などもそれぞれ発生していますが、実際にそれらを下賜された一族にどのような人物がいて、どんな役割を果たしていたのかが新書レベル(ただし分厚くておよそ520頁ぐらいあります)にまとまっていることもあり、新刊で見かけてそのままレジへ行った書籍のひとつです。


 3冊目は、1971年の前後に焦点を当てた新書です。
 ただし、冒頭の文章を読む限りでは、2009年の自民党の下野と対比に置いている書き方となっていて、いずれにせよ著者の年齢(1958年生まれ)的に「その佳境の時期を過ぎたあと」がどう見えたのかを述べているスタイルです。
 帯からも、冒頭からも、当時の学生運動にまつわる諸々を痛烈な批判の姿勢で語られているようで、単に事実を述べるスタイルではありません。
 私も父に当時の状況を聞いてみたところ、やはり年齢的にちょっとズレているだけでも見方はずいぶんと違っており、他もそうだったのではないかと思いつつ、この新書ではそれらが書かれていると期待して購入しています。