しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第4回

「ピラミッドの謎」講談社現代新書
「警察捜査の正体」講談社現代新書
理化学研究所 ~100年目の巨大研究機関~」講談社ブルーバックス

 1冊目は、吉村作治教授の若かりし頃(裏表紙の写真がお若い)のピラミッドに関する新書です。その考古学者としての専門家としての知識が存分に発揮された書物、だと思ったので買いました。
 内容としては、そもそもピラミッドとはという歴史的な位置づけなどを説明しつつも、途中にピラミッドパワーについても触れるなど、この書籍が発行された当時(1979年)の時代の雰囲気を反映している部分もありながらも、それでも目次を読む限りは全体としてピラミッドに関する多くのことを平易に説明する姿勢は感じ取れる内容と思われます。
 すぐに読もう、というタイプの書籍ではないものの、いずれじっくり読みたい書籍のひとつです。

 

 2冊目は、防犯部や機動隊など警備畑を歩んできた警察キャリアが書いた警察の捜査というものに対して書かれた新書です。
 警察モノの新書は、その焦点をどこに持っていくか、あるいはどの視点からの切り口かという違いはあるものの、おそらく編集部の要望で「警察のことは一般に知られていない」前提で説明がはじまるため、ある程度、何冊か読んでくるとすでにわかっている部分は読み飛ばさざるを得なくなるため、もっと突っ込んだ、深掘りした部分を説明してほしいと思うことが多々あります。
 とはいえ、警察に関して元警察官が書かれた書籍の多くは「外に出していい部分」が書かれているな、と思うと同時に、その制約からたとえば裁判で公判となった事件などを題材に書かざるを得ないのだな、という、がぜん人権などにも配慮した書き方になることがわかる部分もあり、隔靴搔痒のところを越えて、描いてくれることを期待して読みます。

 

 3冊目は、理化学研究所、通称「リケン」という研究機関について書かれた書籍です。理研は戦前の財団法人として衆議院貴族院で創立が可決され、渋沢栄一を設立者総代とした理研と、戦後、GHQ指令で財閥指定され、解体されたあとの株式会社となってからの理研は別物であるようで、人の継承は続いていることからも、連続した組織としての「100年目」というフレーズが使われているのかな、と思いました。
 著者の山根氏は「メタルカラーの時代」などで、工業や建築などを1つ1つの事例で1記事を確立していく(だいたい数回にわたっての連載になっている)スタイルの産業系のライターであり、ガジェット大好きライターでもあることから、今回の新書も新元素だけに焦点を当てる章を設けるような、誰もが気になる理研が開発した「アレ」を取材で解き明かしてく書き方となっていることが、目次から見て取れます。
 そのため、この新書も「理研版 メタルカラーの時代」なんじゃないかと楽しみにしつつ読む予定です。