しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第18回

「こんなに変わった理科教科書」ちくま新書
「悪魔は細部に宿る 危機管理の落とし穴」祥伝社新書
アメリカ・メディア・ウォーズ」講談社現代新書

 1冊目は、自分が学んだ時代とは、教科書はかなり変化しているらしいぞ、ということは漠然と把握しながらもどう変わったのか解説してくれる新書はないものかと思っていたところ、本書が発行されたので、本屋で手に取って中身(目次)を確認し、すぐに購入しました。
 どう変わったかもさることながら、自分より前はどうだったのだろう? というのは、たとえば数学の呼び名がバラバラで、仕事上数学の何を学んだかを確認するケースがあり、その際に「どれがどれだかわからなくなる」事態に直面しており、できれば理科だけでなく、数学の教科書も、とくに学習対象の範囲がどう変わっているかを解説した新書があれば、すぐ買うつもりです。
 この書籍では、理科教科の戦後の歴史にも言及されており、おそらくその時代ごとに何が重視されているのかを解説されているのだと思います。
 科学教育は、三丁目の夕日直前の高度経済成長期を経てよりあと、つまり戦後の闇市全盛の時代のあとの時代を経てから、「食えるようになった時代」における子供の教育にお金をかける時代、受験戦争の時代がはじまったあと、しばらくして科学的思考というフレーズで、あちこちの子供向けの学習本や教養本のような書籍に文言が飛び交っていました。
 科学教育=科学的思考、というイメージですが、ではどうすればいいのか、という点についてはとにかくそういう教材を与えれば、子供たちが創意工夫して身に付くのではないか、という曖昧な期待でもって進められていたような記憶がかすかにあります。
 実際のところ、本書のように教科書史的な流れのうえで説明されれば、もっとわかりやすかったのかもしれません。
 そういった戦後の教育史の一面を覗くために、本書を購入しています。これも、架空の学校設定を作る際には有用だと思って購入している側面もあります。


 2冊目は、危機管理に関する新書で、著者は警察庁内閣官房内閣安全保障室などに勤務した危機管理のベテランの方です。
 個人的に、非日常の分野には昔から興味があり、危機管理などもその範疇に含まれるのです。
 阪神淡路大震災オウム真理教のテロ事件、東日本大震災など、現代の日本でも数々の事件や災害がありましたが、そういった非常時に限って失敗してしまうのがなぜかについて詳しく書かれていることが、目次から推測できます。
 読み進めては考えることになりそうな書籍ですので、読むときはたっぷりの時間を確保して読んでみようと思います。


 3冊目は、アメリカのメディアの動きについて、リーマン・ショックからの動きに注目して綴ったのがこの新書です。
 2013年に発行された本書の目次からは、メディアがいかにしてネットでの活路を見出すか、あるいは投げだすかについて事例を挙げて解説するようです。
 このあたりは、報道のあり方そのものがいままでとは異なる世界に、あるいは異なる次元に突入しているイメージしかなく、ネット上でいかにお金を払ってもらうかの問題にきちんと焦点を当てて解説しつつ、今後の展望について語っています。
 このあたりの流れは遠く、速かったこともあり、いまさらながら当時の状況を把握すべく、整理された情報の新書を購入するに至ったのです。