しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第17回

「モダン語の世界へ」岩波新書
「「おたく」の精神史 一九八〇年代論」星海社新書
「その情報はどこから?」ちくまプリマ―新書

 1冊目は、近現代に流行した流行語を扱った新書で、この書籍が発売された当時、似たような書籍が次々と出ていて、すわなんのブームがやって来たのかと期待したのですが、とくにブームとなるわけでもなく、自然に落ち着いていきました。
 この新書は、明治以降、昭和の戦後ぐらいまでを対象とした、その時に生まれた新語を対象としています。
 新語と言えども、現実においての言語の洗礼を受けて残るものもあれば残らないものもあるのが世の常です。
 モダン語のなかには江戸時代からの言葉が明治期に変化したり、あるいはヨーロッパだけでなく、アジアからも流入した単語もあり、そして日本語化する際に音が変化するものがほとんどです。言いやすさのハードルが低いほうが言葉は普及しやすいので。
 この新書を購入したのは、明治以降の近現代を題材にした企画を作成するときに、その当時に流行っていた単語というのは、その時代を体現してくれることが多く、そういった単語を適切に使えば、近現代の明治や大正、昭和などの時代を表現してくれるんじゃないかと思って購入しました。
 それから、モダン語、というフレーズの響きも気になったのも理由のひとつです。


 2冊目は、著者である大塚英志氏の側から見た1980年代論が描かれているのがこの新書です。
 非常に分厚く500頁近くありながらも、表紙のイラストと相まって「星海社新書らしさ」がにじみ出ているように思えます。
 内容的には、発行された2016年の前年の2015年までについて数々の「おたく的事件」に丁寧に触れており、サブカルチャーのライターとして、そういった事件に間接的に関わっていく内実も含めて、大塚氏の視点と思考から書かれていることがわかる。
 個人的には、まだ大学生でもなかった1980年代はごちゃごちゃとしていろんな事象があふれかえっていた時代で、子供のころの自分が見えていた範囲が少ないことからも、誰かが、あるいは複数の人がどう見ていたのか、という記憶と記録は、歴史というには近すぎる年代論として語ってほしいと思っていたので、ちょうどよかったのだと思います。
 そういった時代に何があったのか、という整理された書籍がないかと思って購入したのがこの新書ですが、整理されているはずなのに混雑しているイメージがあり、実際に読んでからはまた印象が変わるかもしれません。


 3冊目は、ニュースの元の情報はどこから来たのだろう? という疑問に答える新書がこの書籍です。調べ方の本であり、最近出た「調べる技術」と同系統の書籍で、こちらは2019年とちょっと前の新書となります。
 どちらにも共通するのは、「図書館をいかにして使いこなすのか」という点であることが、目次から読み取れます。
 ネットで調べものは楽になる部分もありつつも、誰でも情報を披露できるということは、そこにウソ、フェイクが入ってきても、自分の知識や判断基準がなければ惑わされやすくなったことも意味していて、そういった場合にどういう基準でフェイクかフェイクではないかを判断するのかを確認する意味もあって、この新書を購入しました。