しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第19回

「SOHO新時代が始まった 「個」を活かす自分流ビジネス」岩波アクティブ新書
アメリカの大学の裏側」朝日新書
「新書365冊」朝日新書

 1冊目は、これは1990年代後半から2000年代前半にかけての言葉、SOHO(スモール・オフィス・ホーム・オフィス)について書かれた新書です。
 1995年のWindows95の発売を契機としてネット時代が到来し、いまとなってはネットがあって当たり前のインフラと化したわけですが、初期の1990年代後半から2000年代前半にかけては、このSOHOもさることながら、ネットで商売することの暗中模索っぷりはすさまじかった記憶があります。
 インフラと化すまでは、あとで名付けられるフリーミアムという「無料で市場を席巻し、市場を独占したらそこから課金する」戦略を仕掛けるところがありましたが、これらはその無料期間を会社を支える財務のために、華々しい宣伝と広告で集客し、その集客数をもって将来性を謳い、融資を得たり、あるいは株式の仕組みによって市場から資本を集めたり、M&Aによって会社の売却と買収によって巨大化したりと、つまりネット上のサービス「以外」のところから資金を得ることで、その無料販売戦略を支えて突き進んでいました。
 自転車経営どころではなく、ノーブレーキなバイク経営のような綾噂があったわけです。
 そうして「ネット」という場所ができあがる中で、個人でスキルを持っている人が個人で、フリーランスで仕事をしていくための「連絡手段」ができあがってきたことから、自宅を、あるいは小さい事務所をオフィスにして、そこで仕事すればよくて、相手先の会社の軒先を借りて、あるいは責を用意してもらって仕事をするスタイルから、ネットがあれば喫茶店でも仕事ができるタイプの仕事は、より快適に仕事ができる外へと思考するようになり、遊牧民族の「ノーマッド」から「ノマド族」という呼び名ができるようになった、その最初がSOHOだったはずです。
 そういうネット初期に何が起こったのか、という「ネット史」的なもののひとつを知るために、確認するために、この新書を購入しました。


 2冊目は、アメリカの大学の教授などの教える側、教わる側の双方の実態を赤裸々に書いた書籍がこの新書です。
 目次を読む限りではアメリカにはある「テニュア」制度や、授業料の高騰や高額年俸、反知性主義の政治家による大学の冷遇など、盛りだくさんな内容となっています。
 アメリカの大学ランキングなどで名前だけ目にすることはあっても、実態としての大学像がどうにもわかりづらかったことかr、本書はそういった解説をしてくれるだろうと期待して購入した部分があります。
 ただ、よりセンセーショナルとまではいかないものの、派手な、わかりやすい部分に絞って書かれているような目次なので、「普通のアメリカの大学生」がどう描かれているかはむしろ気になるのです。
 日本の大学と比較するとずいぶん考え方そのものが違うだろうな、と思いつつも、どう違うのかを知るためにも本書は時間を確保してから読みたいものです。


 3冊目は、新書を1年の日数の365日から、評論家の宮崎哲弥氏が年間でも有数の新書読みであることからできあがった書籍です。
 宮﨑氏の観点で新書を斬っていくスタイルのため、なんらかの新書の情報を得ようという人よりは、新書の評価を知りたいという人のほうが向いているように思えます。
 新書好きである自分としましては、毎月の新書の刊行点数がだいぶ多くなりすぎていて、タイトルは確認できても内容までは追えていないのが現状です。
 そういった意味では、以前に「新書マップ」というおよそ1000冊の新書を独自の分類で解説した書籍がありましたが、そういった新書ガイド的な書籍が個人的に重宝します。