しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第20回

「アーカイヴズ ―記録の保存管理の歴史と実践」文庫クセジュ
「二階の住人とその時代 転形期のサブカルチャー私史」星海社新書
「日本語と時間」岩波新書

 1冊目は、アーカイヴとアーキヴィストについて書かれた新書です。
 文庫という名称ですが、版型は新書版であり、新書です。
 アーカイヴは書庫のイメージですが、とにかくこれを残すなど選ばずに、記録として集積している文書や書籍などの記録類を指しているようです。
 こういった管理は、図書館や博物館、美術館などとは違い、つまり「うちはこれを収集するよ」というスタイルではなく、「とにかく全部」が正しいアーカイヴズの意味のようです。
 購入した理由は、とある文化的活動でアーカイヴに関することでわからないことがあり、不勉強な状態から勉強することで詳しくなるために購入しました。
 このため、「読む前」と言いつつも、ざっくりとちょいちょい読んでから購入しているため、厳密には定義から外れてしまうのですが、あまり気にせずこういった書籍も含めていこうかと。


 2冊目は、著者・大塚英志氏の正しく私史であり、サブカルチャーのなかでも著者が直接に関わった、直接に見てきた範囲をまとめた新書となっています。
 帯には、「第一級の「おたく」文化史料にして、極上の青春譚」というフレーズがありますが、リアル1980年代がどういう雰囲気の時代だったのかを、おたくの側から見えた風景として描いているのが、目次から読み取れます。
 目次で気になったのは「スタッフロールを記録する情熱」の小項目のタイトルです。
 自分の場合は、なんらかのデータがまとまった状態で一望したいと思うと、いそいそとデータベースを作り出す趣味があり、いまはパソコンがあるので楽になったものの、そんな使い方もできない頃は、ノートやルーズリーフなどにちまちま書いていたものです。
 たぶん大事だったのは「いつでも自分の手元で確認できる自分だけの自分に必要な資料」というイメージで、のちに図書館で借りた本の一部をコピーするなどしていたのも、最終的にその頃にはすでに知っていたスキャナーでコピーした紙を読み込み、データ化するためにせっせとコピーしていた気もします。
 ある程度コピーした資料が溜まると検索性が極端に落ちることがわかり、パソコンがもっと使いやすいソフトや周辺機器が出ないものかと思ったものです。
 そんな一般的ではない活動に熱心だったように、別の分野において熱をもって活動していたことを知るためにも、この新書を購入しました。


 3冊目は、帯の「古代人は「過去」を6種にも使い分けた?」というフレーズと、その下にある〈時の助動辞〉という接辞語の2点が気になり、思わず購入した新書です。
 古文は昔から苦手なのですが、別の言語だと捉えるようになってからは、ほどよい心理的距離が取れるらしく、それほど苦手を意識するほどではなくなりました。
 日本語に似た別の架空言語を作った、と思えば、古文の文法や単語なども、また違った見え方となります。
 時間に関する文法は、外国語をやっていると時制という文法用語で現れますが、言語のなかにはこの時制がない言語もあり、時間の概念、あるいは動作の概念が言語と民族によってずいぶん異なるものだな、と思った覚えがあります。
 言語学的な書物は、とくに新書は購入しやすい価格ということもあり、よく購入しています。