しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第16回

「国際メディア情報戦」講談社現代新書
「とっさの時に人を救えるか」中災防新書
日本語誤用・慣用小辞典講談社現代新書

 1冊目は、この新書はタイトル通りの中身の目次なのですが、自分が最初にタイトルから連想した内容とは趣を異にしてました。
 どちらかというと、スパイが活躍するようなイメージでしたが、大きくズレてはいないものの、よりメディアの特性を存分に活用するという意味では、メディアでどういった情報戦の結果、あるいは仕掛けがなされるのか、といった内容だったのです。
 これはまだ読む前なので、ざっくりとしか把握できていませんが、映画「ワグ・ザ・ドッグ」や、映画「パーフェクト・カップル」のようなタイプのほうが近く、メディアを現実としてどう利用するか、正しく活用するかという意味で、非常に興味深い切り口でした。
 メディアによる情報戦がどういうものか、という興味は情報がそもそも足りていなくて、よくわかっていないものだったのが、この新書ではわかりそうなイメージだったことから購入しました。


 2冊目は、災害時に限らないのですが、災害時の救急医療について書かれた新書です。
 この新書の中災防新書というレーベルは、この書籍ではじめて知りました。表2の表表紙の裏側にある見返しの部分にレーベルで発行している書籍タイトルについても書かれていますが、すべて医療系か、あるいは災害対応など、緊急時に関する書物ばかりです。
 災害は非日常の領域に入りますが、普段は気にしていない、気にすることが少ない場面に関して、真摯にその対応策が書かれているであろうことから、古本にて購入しました。
 できれば、このレーベルはあまり発行されてい逢い可能性もあるため、いずれ全部揃えておきたいものです。


 3冊目は、文章を書くときに振り返りたいと思ったので購入した新書です。
 誤用・慣用は、自分でもイイカゲンに覚えている知識のひとつなのと、文章をチェックしたりする仕事に携わることもあるため、自分のために、古本で購入しました。
 日常的に耳にする単語だからこそ、ちょっとした勘違いや思い違いで間違えやすい単語があり、しかも、間違えそうな比較できる2つの用語の解説もあるため、わかりやすく説明しているだろうことがわかります。
 クリーム色の旧表紙デザインには「なおざり」と「おざなり」を並べているので、どういう書籍かは一目でわかるデザインとなっていて、興味深かったということもあります。
 こちらは1991年発行のため、古本で購入しています。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第15回

「〈狐〉が選んだ入門書」ちくま新書
「東京・同時多発テロ角川oneテーマ21
「米ハフィントン・ポストの衝撃」アスキー新書

 1冊目は、ペンネーム〈狐〉氏が入門書を紹介していく新書で、文学や美術などの分野のちょうどよい入門書について書かれている書籍です。
 新書でなくとも、知らない分野について教養書や実用書を読む前に、その分野をざっくりと網羅した書籍がどれなのかは、それこそその分野の素人には区別がつきません。
 この書籍は、そういった際の指針のひとつとして機能することを期待して購入している部分が多分にあります。
 とはいえ、普通に入門書としてだけ紹介されては、はたしてその本を読もうと思うかどうかはまだわかりません。
 図書館司書から随筆家へと転身した著者がそれらをどのように「この入門書はこういう理由でお勧めです」の「こういう理由」に期待して本書を購入いたしました。


 2冊目は、首都での計画的なテロをテーマとした新書です。現実に起こってほしくはありませんが、エンタメの企画などを考えていると、思考実験的にそういうシチュエーションがどうやったら成立しそうか、あるいは成立したと見せかけることができるかを想像することはままあります。
 思考は罰せず、と言うように、どんなに頭の中でたとえ猟奇的な犯罪を考えようとも、実行しない限りは自由であり、それは罰せられる犯罪とはなりません。これは法学の基本の考え方のひとつだったと思います。
 そのうえで、起こり得る可能性のある嫌な事態は避けたい以上、考えないという思考停止の選択肢は不適切で、こうなったらこうしよう、をシミュレートして考えることが必要です。
 そういう「起こったらどうしよう」を「起こったらこうしよう」に変えるためのいろんな想定のひとつが、本書の扱うテーマです。
 何があっても生き延びられるように、と考えることが多いので、書籍を購入する理由はそのケース・バイ・ケースを知るためです。


 3冊目は、ハフィントン・ポストについて書かれた新書で、ざっくり言えばネット新聞として経営が成り立った初の会社について書かれているという。
 目次をざっと読む限りでは、ネット時代において、新聞とジャーナリストとジャーナリズムの関係が、分かたれてきた流れを記録しているように読める。
 実際のところ、新聞社という存在も米国からもたらされた文化であり技術であるが、その後の新聞社という存在が何をどういう風に報道してきたか、という点では多様な意見があるかもしれないが、報道に対してお金を払う、という考え方がネットでは無償でコンテンツが提供されるという姿勢のなかで、どう振る舞ってきたかという点で興味深かったこともあり、この新書を買いました。
 2013年に刊行された書籍ですので、東日本大震災後の報道をどう捉えるか、という意味でも興味深い動きだと思っていたのも購入理由です。
 同時に、ネット新聞を架空の世界の企画として考えたとき、パイオニアがどうあったか、という見方もできますので、いろんな面から気になります。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第14回

「アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」」PHP新書
「英国名門校の流儀 一流の人材をどう育てるか」新潮新書
「8ヵ国科学用語辞典」講談社ブルーバックス

 1冊目は、今回は非常に意地の悪い買い方で、古本で安かったので購入した動機は、すでに2023年になってしまったいま、この本に書かれていたことがどれぐらい予測が当たっているか外れているかというチェックと興味があったからです。
 実際に、この頃はこう未来を予測していたひとつのパターンが書かれているわけです。歴史的なモノの見方としては、残ったものだけが歴史となりますが、予測は限りなく種類があります。
 そのなかで、この新書を書いた人はどれだけ正確に未来を予測しているかどうかを知るためにも購入しました。
 もっと弱い理由としては、新書を含め書籍は膨大な冊数が毎月、あるいは毎日発行されているので、著者の傾向によって、急いで購入して抑えておくか、あとでも大丈夫だろうかを見極めるためでもあります。
 それによって、買っておくべき書籍の総量を抑えるようにしないと、すぐに本棚から溢れてしまいますので、死活問題とも言えます。
 せめて、著者の執筆履歴から、積極的に買うべきか、そうでないかの判断はしたいものです。


 2冊目は、SPY×FAMILY」を読んでいたこともあって、あらためて英国の名門校はどういう実態なのだろうと興味を持って購入しました。
 目次を読む限りでは、なぜ名門校なのか、という点をしっかり解説できているようで、具体的なイメージができそうです。
 エンタメ系の企画で、英国のエリート校出身者などを設定するときの「リアリティ」としてのイメージを組み立てるためにも、こういった内情や制度について書かれた書籍は重宝します。
 あのハリー・ポッターと賢者の石に登場するホグワーツ魔法魔術学校なども、こういった学生寮のあるパブリックスクールがイメージの元となっていることが容易に想像されます。
 これらの学校には独特の規則や行事があったりすることも含めて、「パブリックスクールらしさ」を演出するための、つまり企画の題材に利用する場合のイメージの相違がないように、基礎となるいくつかの書籍を活用します。
 この新書は、そういったイメージのひとつとして購入しました。


 3冊目は1997年に発行されたこの新書は、2000年代の中頃のネーミング辞典の●ヶ国語辞典シリーズの走りと言えます。
 著者は理系のサイエンスライターということもあり、科学用語に寄せてあるのがその後のファンタジー系、あるいは日常系などの語彙に比べて特徴的です。
 扱っている言語も、裏表紙に日中英独仏西伊露とアラビア語以外の国連公用語をカバーしており、また欧米の近接地域での語彙の音や文字の使い方の近似するところも、単語がずらっと並べられている分、はっきりとわかります。
 辞典系の新書は、何かを調べたり、あるいは何かを企画するときに有用なため、それまでに購入した辞典系新書とかぶっていなければ、小まめに購入するようにしており、今回もその例に漏れず購入いたしました。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第13回

iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化」アスキー新書
「きらめく映像ビジネス!」
ナノテクノロジーの世紀」ちくま新書

 1冊目は、iPhoneが日本で販売された2007年の翌年に書かれた新書です。Apple社は、個人的にはMacintoshというパソコンを発売した会社ですが、1990年後半あたりからの微妙な経営を経たあと、追い出されたはずのスティーヴ・ジョブズ氏がまた戻ってきてからのiPhoneの発売だったため、何を出してきたのだろう、という意味では周囲も含めて興味深く見守っていたり、実際にiPhone3Gを購入していたりもしていました。
 では、そのApple社がどんな会社か、というのは広報を通しての、あるいはふたりのスティーヴ(スティーヴ・ジョブズと、スティーヴ・ウォズニアック)という創業者や、そこから会社の経営を引き継いだ人物の話など、とにかく「会社より人」の動向が注目されるニュースが多かったように思います。
 これは、パソコンにおいてライバルのMicrosoftビル・ゲイツは、ビル・ゲイツに注目するという意味では、会社の風土などはあまり目を向けられることはなかったと思います。
 そういった意味で、iPhoneのような製品を世に送り出す会社がどんな変遷を辿ったのかを新書で情報として入手できるという理由から、この新書を購入しました。


 2冊目は、映像ビジネスについてですが、基本、目次を眺める限りは、映画とテレビという2つの題材を主眼に据えているようです。
 映像ビジネスは、華やかな面が強調されるものの、コンテンツビジネスとして見た場合には実際にはどういう構造になっているかを含めて書かれているようです。
 すくなくとも、この新書は2004年に発行されていますが、その表の表紙の見返し、表2のところには「コンテンツビジネス」という単語がきちんと書かれていますので、いまとなっては「コンテンツ」という単語も馴染んできましたが、新書で普通に描かれるぐらいには当時すでに一般化したんだな、と。
 個人的には、1996年頃には、仕事上の英語のソフトウェアの使用許諾契約書で「コンテント」という単数形での単語を確認しており、英語は苦手な自分は上長(この方は英語が比較的得意なほう)に辞書を引いても意味がよくわからないので聞いてみたところ、「うーん、日本語に相当する単語がないんだけど、無理やり直訳すると、なにか入ってるもの、のことなんだけど、説明しづらいな。君のほうが若いからわかるんじゃない、なんとなく」と答えを返していただいたのですが、むしろわからなくなったぞ、と思ったものです。ただ、この単語は結局「内容物」のような感じで、そのなかが何かを示しているのではなく「中に入っている何か」のことを指している抽象名詞なので、何かに入っているモノはすべて「コンテンツ」であり、その文脈で「書籍の中に入っている小説」もコンテンツだし、テレビ放送の電波に載っているのもコンテンツ、になるわけです。
 そんなわけで、映像ビジネスをコンテンツビジネスは「映像が入っている何か」であり、こちらはコンテンツ史や映像史、メディア史という側面からやはり新書を購入しています。


 3冊目は、ナノの大きさ、つまり極小の世界、原子や分子をどう変化させるかによって、そこから新たな技術が生まれてきて、産業として活用するための時代がやってきていることを解説した新書です。
 2002年発行なので、いまからすると、20年も前の時代となりますが、こうした極小の技術によって、新製品開発がなされるようになりわかったことがあります。
 これはまだ本書を読んでいませんが、「極小の世界に干渉する技術や資金がないところは算入できない」という壁があるということです。
 いろんな材質の部品などは、その性質が完全に満足する特性を持っているわけではないこともあります。そしてそれは珍しくないことです。
 ところが、ナノテクノロジーは、満足するように変えてしまうことを前提に考え、技術として確立していくため、手の出せない領域に手を出せるようになるという意味では、フロンティアに立ったと言えるのです。
 そういったナノテクノロジーの世界が20年ぐらい前の時点で、どこまで進んでいたかを確認する意味もあり、この新書を購入しました。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第12回

「アップルvsアマゾンvsグーグル 電子書籍、そしてその「次」をめぐる戦い」マイコミ新書
アメリカン・テレビ・ウォーズ」丸善ライブラリー
「プログラミングのはじめかた Unityで体験するゲーム作り」サイエンス・アイ新書

 1冊目は、いまではGAFA(ここにフェイスブックがありませんけど)と呼ばれるネット系の巨大企業が躍進していく最中の3社に関する電子書籍の争いに焦点を当てた新書です。
 電子書籍史というものは、歴史というには日が浅いように思えて、発展中の技術だからこそ、その変化を記録しておかなければ、あるいはその当時どう思ったのかを残しておかなければ、忘れてしまうものなので、せめて10年単位でこうったい新書が出てくれるのは、助かるのです。
 この書籍もいまとなっては、コンテンツビジネスでの戦いは続けられており、むしろ電子書籍から動画時代へと移ったこともあり、よりあらゆるエンタメなコンテンツがそのビジネスの対象となることがわかります。
 こういった電子書籍史はコンテンツ史でもあることから、いちばん大きくコンテンツ史として流れを把握したいと思っていることから、この新書「も」購入しました。


 2冊目は、20世紀のアメリカテレビ映像史について書かれた新書です。海外ドラマの歴史を調べようと思ったときに引っかかってきた書籍で、平成6年、つまり1995年に発売されているため、インターネットが爆発的に普及する直前ということもあり、つまりネットがふわふわしたよくわからない、あるいはパソコン通信というマニアックなイメージがある時代における「海外ドラマの歴史」について書かれているため、コンテンツ史としても非常に興味深く、海外ドラマ史の整理、あるいは資料としての活用も見込まれます。
 まだ一ページも読んでいませんが、アメリカのテレビのコンテンツ競争をテーマに、その戦前からのテレビ放送の流れについて、アメリカから日本へコンテンツが流れ込んでくる前の海の向こうはどういう風な状況だったのかを知るために、購入しました。


 3冊目は、ゲームのプログラミングを学ぶ新書で、理系を題材にした新書が特徴のサイエンス・アイ新書から刊行されています。
 ゲームやプログラミングは、ゲームに興味がある層、それを実際に自分で作ってみたい層に訴求する内容です。
 ゲーム業界にいることもあり、こういった書籍は見つけるたびに買うようにしています。そういう意味では購入動機は「仕事に関係するかもしれないから」というのと、どうやってゲームを作るのか、という中身を実際にどう教えるかはさまざまな人が工夫したり苦労したりしている部分なので、いろんな手法と可能性を確認しておきたいし、知っておきたいから、という理由もあります。
 仕事に必要な書籍は、できるだけ買いたい派なので、今後も買い続けることでしょう。

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第11回

「コミカライズ魂 「仮面ライダー」に始まる児童マンガ史」河出新書
「マルチメディア」岩波新書
「データサイエンティスト基本スキル84」日経文庫

 1冊目は、漫画家であり、小説家であり、大学の教授でもある(修士号すがやみつる氏が書かれた新書です。
 子供の頃のゲームセンターあらしコロコロコミックで読んでいた親しみが「こんにちはマイコン」などをあらしのキャラで描くのを知ったときは「この人、何歳?」と思ったものですが、その後に大学院で修士号を取得されたことを知り、今回の新書にも興味を持ったことから購入する動機となりました。
 内容的には、コミカライズ史を創世期から語っていくスタイルであることが目次からわかります。
 エンタメ史は多岐に分かれやすいのが現代なので、そのひとつとして、ジャンル史の資料として読むことになりそうです。


 2冊目は、シンプルなタイトルの新書です。
 この書籍は1994年、つまりおよそ30年前に発行された書籍ですが、書かれている内容は、Windows95が発売される1995年より前の時点でのパソコンなどの未来予測の本でもあるため、すでに記憶から抜け落ちている「当時どうだったのか、どんな言葉がどのような文脈で使われていて、どんな構想を計画していたのか」などの記録となっている本書は、有力な資料のひとつとなる、と思い、購入しています。
 他にもよく購入するネットやIT系の書籍などは、エンタメ史を俯瞰するためにも重要な流れを担っていたりすると自分は捉えています。
 そのため、Windows95以前の流れの予測は、WindowsMacintoshがパソコンのOS市場の多くを占めるようになった現状に対し、どういった知見を披露してくれるかのチェックをすることにも繋がります。
 パソコンやIT、ネットの技術的な流れは速すぎることもあり、年数的にはちょっと前かと思っていても、濃密な流れとなりやすいこともあり、こういった「この時代のIT技術を切り取った」ような書籍は、やはり必要となります。


 3冊目は、IT系の資格として名前だけは知っていたため、新書でさっくりわかりそうかと思って買いました。しょっぱなから統計学の再学習をする感じで、暇になったら読もうと、すでにくじけ気味です。
 統計のスキルによって、データ分析をするという大まかな理解は進んだものの、いまだ高く聳える壁として君臨しているのが、本書籍です。
 ものすごく難しい書籍ではなく、統計学の基礎をやっていれば、たぶんそれほど難しい内容にまでは踏み込んでいるわけじゃなくて、あくまでタイトルに「基本スキル」と書かれている以上、本当に基礎なんだろうな、と目次を覗いてみても、そう思います。
 高校で数学をきちんと学べた人には「ああ、なるほど」という感じの新書だと思いますので、そのうちチャレンジしたいと思います。

 

しばらくはここ数ヶ月で購入した書籍の購入理由について 第10回

少女小説を知るための100冊」星海社新書
電子書籍の真実」マイコミ新書
O2Oビッグデータでお客を呼び込め! ネットとリアル店舗連携の最前線」平凡社新書

 1冊目は、少女小説史を語るために挙げられた100冊のそれぞれを解説している新書です。少女小説に関してはコロナ禍がはじまった2020年に「『百合映画』完全ガイド」少女小説ガイド」などが発行されており、そんな流れができてきていたのだと知ったものです。
 少女小説や百合映画はまったく同じに語ることができるわけではありませんが、非常に近しいところに位置していることは否めないと思います。
 これらはまたジェンダーなどの絡みで語られるように見えますが、実際のところはそれらとはまた別に独立したジャンルであることを再認識することで、少女小説などの本質が見えてくるのだと思います。
 少女小説の流儀は、赤毛のアン」や若草物語などの古典があったように、女性側の視点による小説という切り口が共通するだけで、そこで語られる内容は、より繊細で豊かなものなのだと思います。
 そういった流れを、ガイドブックよろしくまとめてあるのは非常に何を読めばいいのか迷うときには便利なのです。
 少女小説も、ずっと少女マンガなどもひっくるめて系譜として気にしていたところでもあるので、やはり分類史、ジャンル史のようにまとめられている書籍があるのは、指針となり、助かります。


 2冊目は、この信書の発行時期は2010年頃なので、電子書籍がどういうイメージのものであるかは、いまとちょっと異なります。少なくともこの時代は、電子書籍を読める端末の各社戦国時代に入った頃だったような気がしますので(間違ってたらごめんなさい)、2010年当時の電子書籍事情という、「電子書籍史」的な観点から、この新書を購入しています。
 電子書籍の基本的なスタイルは「原則永続レンタル権を獲得する販売方式」です。つまり、所有権が購入した人に移動していないスタイルのため、なんらかのトラブルなどによって読めなくなることがあっても、そのあたりがトラブルになることを(電子書籍販売側にとって)免れているのと、電子書籍はあくまでも物理的な書籍の置き場に困るようなシリーズものを「いつでもアクセスして読める権利(原則、ずっとレンタルするレンタル権)の販売」であることから、まとめ買いを奨励していたり、セールがあったりと、いわゆる「書籍の価格維持制度」の外に位置する存在になっていたと思います。
 別の理由としては、著作権法の想定に含まれていないため、電子書籍を猫も杓子も出そうとしていた2000年代後半は、著者に対して出版社から電子書籍出版の出版契約書が飛び交ったと言われています。
 そういった流れが落ち着いて、つまり電子書籍がそれほど目新しいものではなく、当たり前になってきた頃のことが書かれていることを期待して購入しました。

 

 3冊目は、タイトルからは「ビッグデータを使って広告マーケティングに役立てられる技術がすぐそこに」という意味だと思って購入しました。ビッグデータをどうビジネスに繋げるのか、という点ではいろいろな方向性と可能性が気になりますので。
 O2Oは「Online to Offline」の略で、toが2になっているのは、英語では音が同じだから、略称でよく使われるらしいです。
 オンラインからオフラインへ、つまりネットからリアルへビッグデータを繋げて活かそうというのは、なんとなくわかります。広告マーケティングとして使う例が多いのは、ビッグデータでよくあるケースは「関連性のないデータの関連性を見出すことで売上に繋げる」だと思います。
 そういった、「ビッグデータの使い方」はいろいろ知っておくに越したことはないという、好奇心から、この新書を購入しています。